「ジャケットには夢がある」
1954年、私達は「注文服のような着心地の既製服を作ろう」という
思いのもとに創業しました。
当時、高級紳士服といえばテーラーで誂えた服というのが常識でしたが、私達は既製服で最高の服を作ることにこだわりました。生産効率は追わず、ゆっくりゆっくりと手間暇かけて縫う、なるべく副資材を使わず、生地一枚で仕立てたかのような軽やかな着心地を追及することで独自のスタイルを構築。
現在では、国内のみならず海外取引先も増え世界中に販路を広げています。
上質なジャケットに袖を通すとリラックス出来て、その日1日を充実した気分で過ごすことができる。そんなジャケットの無限の可能性を信じ、夢と浪漫を感じる服を提供することこそが我々リングヂャケットの使命なのです。
RING JACKETのモノ作りのこだわり リングヂャケットの製品は、軽やかな着心地とシンプルなデザインにこだわって製作しています
表地の素材を活かす
特に必要のない副資材は使用せず表地の素材を活かしつくりあげる
一般的に多くの工場で使用される接着芯は、作業効率や仕上がりの難点を防ぎ、重要な役割を果たすものです。しかし必要以上に使用すると、完成後に硬さや厚みなどの事象が発生し表地の素材を活かすことができない。
リングヂャケットでは身頃と同様に袖芯や箱芯(胸ポケットなど)などもフラシ芯を使用している。フラシ芯は、表地と芯が分離しているため、表地の風合いを損ねることはない。そのため表地の素材そのもののよさを活かすことができる。ただ接着芯のように貼りつけるだけでは無いため、非常に手間がかかる。
リングヂャケットが求める「仕上がり後のやわらかさ」や「優雅さ」、「軽さ」を生み出すために副資材にたよったものづくりではなく、設計、縫製技術で作り出すように取り組んでいます。また使用する毛芯なども、仕上がりのイメージに合わせて軽く、やわらかく、保形性が高い副資材を使用しています。
着心地を左右する技術
着心地をよくするため、襟、肩、アームホールなどを
独自の技術を用いて人体に沿った立体的なシルエットを作り上げる
分量の違う生地を縫製技術とアイロンワークで立体的に仕上げる「いせ込み」と呼ばれる工程。リングヂャケットでは、一般的ないせ込みの分量と比べて非常に分量を多くとっており、肩回りに関しては約2倍の分量。また、可能な限り小さく設計したアームホールに対して、袖側の分量を多くとることで抜群の動きやすさを実現しています。
一般的な工場では、各部いせ量を出来るだけ減らす傾向があります。平面的なパターン、平面的な縫製であればあるほど生産が容易になることが一番の理由。
平面的な服は、アイロンワークなどの作業が簡略化され生産性が高まる。また職人の技量も軽減され、作業が安定しやすいなどが理由としてあげられます。
立体的に作りあげる技術は、非常に重要な部分。それは、着用感を大きく左右し、優雅で美しいシルエットを作る。
人体の曲線に沿った立体的な設計
(パターンメイキング)
パターンの研究を繰り返し、立体的な縫製との調和を考え
最良のバランスで作り上げるパターンメイキング
直線ではなく曲線で構成される人体。ストレスなく着用するには、如何に立体的に仕上げるかが重要。
複雑な曲線が多く集まる箇所である肩廻りの設計にこだわりをもっています。前肩があたらないようにすると同時に首周りに荷重がバランス良くかかることも設計、縫製ともに非常に重要。あわせて可動域も大きく着用時の着心地やシルエットにも大きく関係するアームホールなど、全てを作りだす土台である設計。
優雅で美しいシルエット、審美性はもちろん、着心地ややわらかさ、軽さを求めたパターン設計を追及しています。
良し悪しの第一は芯すえ
芯がしっかりしていること
それは人も服も同じで大切なこと
服の縫製の場合、大きく分けて接着縫製と毛芯縫製があります。
接着縫製は、接着芯と前身頃を機械で貼り合わせる。合理的で芯すえのような技術は必要としない。
一方、毛芯縫製は、毛芯と前身頃を一枚の布のように止めていく。これを『芯すえ』といいますが、この芯すえが服の良し悪しを決める縫製上の命ともいえます。この縫製には熟練の技術が必要です。生地の厚薄、剛柔などをしっかりと見分け、その特性に合わせて芯すえをおこなう。そして出来上がっていくに従って、平らな生地に立体的な丸みが生じ、体に馴染んだ着心地をつくり出す。
自前の縮絨
機械巻きされ引っ張られた状態の生地を
織り上がった時の自然な状態に戻す作業
これを縮絨といいます。縮絨を施し、生地が落ちつくまで寝かし、素材が安定した時に裁断する。縮絨専門の業者に依頼するメーカーも多いですが、素材にあった温度と時間を調整するために、これを自社で行う。常に最高の状態を作りだすために。
一枚襟のこだわり
一枚の生地をアイロンワークでカーブさせて作る襟
襟の繋ぎ目を手縫いで行うはしご掛けや、地襟を手縫いでつけることにより、身頃から襟にかけての馴染みが良くなります。
この工程を表地にあわせて職人の手で微調整をしながらおこなうことで、柔らかく綺麗な襟に仕上げることが出来ます。
一般的に多いのは、上襟に切替え線をいれ、二枚襟にしている商品。二枚襟にすればイセを馴染ませる作業など簡略化でき生産性を上げられますが、見た目の美しさを失うと共に縫代部に固さが出て着用感が悪くなります。
ラペルの仕上がり
綺麗なロールと身体に沿うように馴染む襟
袖を通した時にはラペルが美しく返り、襟端は身頃から浮かず綺麗に沿うように作り上げています。
襟の表裏に距離の差を持たせることで、平置きした際には襟が外側に向かって自然とカーブしているのが見てとれます。
はしご掛け
上襟と下襟をはしごのようにつなぎ合わせる『はしご掛け』
首に沿うよう曲線となっている上襟と、直線の下襟をつなぎ、上下の襟を馴染ませるために行います。この縫い合わせ部分がはしごのように見えるので『はしご掛け』の名がつく縫製仕様。一般的には機械縫いされる箇所ですが、これを手縫いにすることで、洗濯した時や雨に濡れても継ぎ目が波打ちません。
胸ポケット
人体の曲線に沿った立体的な胸ポケット
胸ポケットは、切替えなどをおこなわずアイロンワークだけで一枚の生地を曲げてカーブした形をつくり上げています。また、角の部分も丸く仕立てることにより全体的に曲線を多用し角々しさの取れた柔らかい胸元になります。
胸ポケットは、接着芯を用いる事が一般的ですが、リングヂャケットでは芯と表地が分離しているフラシ芯を採用しており、表地の風合いを損なわないよう作ります。
細部までこだわりぬくことで、全体のバランスと調和した見栄えの良いポケットが出来上がる。
ハンドメイドのボタンホール
生地と馴染む釦ホール
ミシン縫製のボタンホールは、早く簡単に仕上げられる反面、一定の縫い方しかできないため、縫い口が固くなることがあります。
これを手縫いで素材にあわせて手加減しながら仕上げることにより、糸の張力に強弱がつき、柔らかく生地との馴染みが良いボタンホールが出来上がります。
手縫いのボタンつけ
素材に合わせたボタンつけ
リングヂャケットのボタンは全て手縫いのボタンつけ。
産業機器の発達により、多くの工場ではスピードを重視し自動ミシンでボタンがつけられます。効率的で、全て同じようにつける事が出来ますが、表地は全て同じではありません。
厚い素材もあれば薄い素材もあり、硬いツイードのような素材もあればカシミアのような柔らかい素材もあります。機械では、その素材の違いや細やかな判別が出来ません。
そのため、職人が素材にあわせて調整しながら手縫いでボタンつけをしています。
マシンメイドとハンドメイドの融合
唯一無二のリングヂャケットメイド
非常に多くの工程で手縫いを採用。
襟廻り、肩線、アームホール、裾、袖口など多くの部分を手縫いで仕上げています。
しかし、強度が必要な部分やマシンメイドが適している部分ではミシンを使用して、ハンドメイドとマシンメイドの工程をバランスよく融合させて作り上げています。
昔ながらのテーラーが仕立てるオールハンドメイド。それとは対照的に目まぐるしく進化を遂げた最新鋭の機械や新しい方法で仕立てられるマシンメイド。
リングヂャケットはどちらでもありません。
手縫いの良さを多用しながら、マシンメイドも取り入れ融合させる。ハンドメイドでもマシンメイドでもない、唯一無二のリングヂャケットメイドです。
RING JACKETの
オーダーシステム
リングヂャケットでは、既製品とは別でパーソナルオーダー・フルオーダー・206フルオーダーの
3つのオーダーシステムをご用意しております。
生地、裏地、釦等をお選びいただき、お客様の体型に合わせて製作いたします。
LABEL レーベル
MESSAGE 代表者メッセージ
スーツ・ジャケットは
最高の遊び着
「奇をてらわないこと。シックであること。本物であること。」それが私の考える理想のスタイルです。
上質な素材使いと、効率性に背を向け手間暇かけて仕立てた軽やかな着心地の服がRING JACKET最大の特徴。
創業以来、シンプルなデザインの中に独特の色気が漂う服を探求し続けています。
株式会社 リングヂャケット
代表取締役 社長
福島 薫一